筒井にとって「時をかける少女」以来のジュブナイルとなっている。初出は「オール讀物」1999年4月号。同年8月に文藝春秋から単行本として刊行された。第51回読売文学賞小説賞を受賞。2002年6月に文春文庫となっている。 映画は東映の配給で、2003年4月5日から公開。主に栃木県足利市で撮影された。2003年の第27回モントリオール世界映画祭に出品、最優秀アジア映画賞を受賞した。またヒロインの石原さとみは国内で6つの新人賞を獲得している。 五代珠子は中学校でいじめを受けていた。ある日同級生にからかわれているのを、刑務所から出所してきた祖父、「ゴダケン」こと五代謙三にみられてしまう。 初めはいじめられているのを隠そうとした珠子も、謙三の正義感や優しさに感化されていく。謙三は不良や暴力団などに立ち向かって問題を解決していくが、昔のいざこざの関係から、珠子を誘拐されてしまう…。 公式に表明はされていないが、ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』を下敷きにしているのは明らかである。またアレクサンドル・デュマ・ペールの『モンテ・クリスト伯』からの引用もある。 序盤の結婚披露宴のシーンで登場人物の相関図を紹介する手法は、後に映画『ゴッドファーザー』でも用いられた。 本作で副総裁岩渕を演じた森雅之は当時49と息子役の三橋達也と一回りしか変わらないが実年齢を上回る初老の役を演じて境地を築いた。 黒澤プロ初作品として、興業上の成功を狙うよりも、社会派作品を制作しようとの監督の強い意志があった。 土地開発公団の副総裁、岩渕の娘、佳子と秘書、西の結婚式が盛大に始まった。公団と建設会社の数十億にのぼる汚職を嗅ぎつけた新聞記者達も駆けつけた。不用品回収 、式の始まる直前、公団の課長補佐、和田が警察に拘引された。 ケーキ入刀で、運ばれてきたケーキを見て岩淵の部下である守山と白井は驚愕する。公団のビルをかたどったケーキの7階に赤いバラの花が刺さっている。5年前、公団の課長補佐、古谷がこの窓から飛び降り自殺したのは周知の事実となっていた。 佳子の兄、辰夫は「西、妹を不幸せにしたら貴様、殺すぞ」と、一風変わった祝辞を述べる。佳子は足が悪い。それは昔、辰夫が自転車で佳子を乗せていた時に起きた事故が原因だったのだ。 刑事の尋問に黙秘を通した和田は、自殺しようと火山の火口に向かうが、それを助けたのは岩渕の娘婿の西であった。新聞では「公団の課長補佐自殺」の文字が躍っている。和田の葬儀が行われている。西は和田を車に乗せ、自分の葬儀の様子を見せる。和田の上司、守山と白井が弔問に来た。西はテープレコーダーで隠し取った会話を聞かせた。守山と白井は和田の自殺を嘲笑っている。自分に罪を着せた二人にやりきれない怒りを覚える和田。 白井は貸し金庫の現金を取りに行って、現金が無くなり、替わりにあのビルの写真がはいっていたのを守山部長に報告した。しかし、和田亡き後、貸し金庫の鍵は白井しか知らないため、粗大ごみ は現金横領の嫌疑を受ける。 白井は深夜憔悴して帰宅途中、暗がりにいる和田の幽霊を見た。白井は上司、守山達に和田が生きていると訴えたが相手にしてもらえない。そのうち、客先にまで和田の件を喋り始めたため、殺し屋に狙われるはめになる。 西に殺し屋の手から救われた白井は車の後部座席に和田が乗っていたので驚愕した。やがて、西は白井を公団ビルの7階に連れて行く。深夜のビルで西は5年前にこの7階から飛び降りて自殺した古谷が自分の父親だと明かし、白井を殺そうとする。西(実は板倉)は友人(西)と戸籍の交換をして西に成りきり、父の自殺の原因である岩渕に復讐するため、娘の佳子と結婚したのだった。 死の恐怖を味わった白井は発狂した。その頃、守山の調査で西の素性が露呈する。西と板倉は戦後の焼け跡の廃墟に守山を拉致する。和田は真実を佳子に知らせるべく、整体師 を廃墟に連れてきた。佳子は西から父親の犯罪を知らされる。互いに愛し合っていた西と佳子は抱擁する。 しかし、岩渕は娘を騙して西の所在を掴むと殺し屋を差し向けた。兄の辰夫と廃墟へ向かう佳子は途中、事故で無残な姿の車を見た。廃墟では板倉が自暴自棄になっていた。板倉の口から西が血管にアルコールを注射され、車の事故に見せかけて殺されたことが語られる。板倉は巨悪に立ち向かえない無力さを嘆いて咆哮するだけだった。 映画『海底軍艦』の宇宙版リメイク。1988年、太陽系外宇宙から飛来した異星人の侵略に対抗する為、宇宙防衛艦「轟天」が金星に本拠を構えた異星人の「大魔艦」に立ち向かう。 本作製作の背景には、1977年はアメリカでSF映画『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』、アニメ映画『宇宙戦艦ヤマト』が公開され、日本は空前のSFブームを迎えていたことがあった。翌年1978年夏の『スター・ウォーズ』の日本公開を控えて、東宝は本作を急遽製作してお正月映画として公開、東映も1978年4月に『宇宙からのメッセージ』を公開した。監督と特技監督には、1970年代の東宝でゴジラシリーズとSF作品を手がけてきた福田純と中野昭慶のコンビがあたった。正月映画として年末から公開の予定でありながら脚本が仕上がったのはその前の10月に入ってからで、クランクインが公開の2ヶ月前というとんでもない製作期間であった。 『惑星大戦争』のタイトルは、当初『スター・ウォーズ』の邦題として予定されていたが、ジョージ・ルーカス側が全世界でタイトルを統一しようということで没となったため、本作のタイトルとして流用されたものである。 なお当初は小松左京に原作の依頼が持ち込まれたが、小松のブーム便乗企画でない本格的なSF映画を作りたいという希望により別途企画が立てられ、『さよならジュピター』が製作されている。 国内での評判はおおむね芳しくないが、海外では受け、特にドイツでは大ヒットを記録した。 ストーリー 1980年代、世界各地で未確認飛行物体騒ぎがおき、また電波障害により大混乱が発生した。これを宇宙からの侵略の前兆と捉えた国連宇宙局・宇宙防衛軍 (UNSF) は、宇宙防衛艦の設計建造を滝川博士に依頼、一方で隊員の訓練を開始した。しかし次第にその騒ぎは収まり、博士は平和な地球には必要ないとして宇宙防衛艦の建造を中止、退任してしまった。 1988年秋、再びUFO騒動と大規模な通信障害が発生。国連宇宙局の三好は宇宙防衛艦「轟天」を完成させる使命を帯び、滝川博士を説得するため日本に帰還する。滝川博士は消極的だったが、彼を暗殺しようとした刺客から三好、室井、冬木によって救われる。さらに、宇宙ステーション・テラが「巨大なローマ船」という通信を残して爆発。国防軍は滝川博士に「轟天」建造の再開と乗員の編成を要請した。 敵のUFOヘル・ファイターによって世界各地の大都市と地上の国連軍基地が壊滅状態となる中、滝川博士は隊員達を再招集、「轟天」の完成を急ぐ。侵入した工作員の妨害も排除しつつ「轟天」は完成、地球上を飛び回っていたヘル・ファイターを全滅させ、侵略軍の前線基地がある金星へと進撃を開始する。しかしその途中、三笠の遺体に扮して侵入した敵兵によって滝川博士の娘・ジュンが拉致されてしまう。三好は室井・冬木達とともに、ジュンを救うため金星大魔艦に潜入するが…。